2006-01-01から1年間の記事一覧

「ゆく年くる年」その裏側

今泊まっている病院からさらに1時間ぐらい山のほうに入ると、 全国的にもそこそこ有名な神社があって、 毎年大勢の人が訪れる。 そこに行くには途中から完全な1本道になって、細い橋を3箇所渡らないといけないから、 必然的に一方通行。神社に向かう方向には…

当直入り

大晦日の午後から正月まで一人当直。 病院にきた時点でもう患者さん用駐車場は満車。 自分に一体何をしろと…?

針の上には天使は何人?

グローバル化と専門化 いろんな業界のグローバル化が喧伝された今年。 電話回線は国境を軽々越える。シリコンバレーのプログラマの競争相手がインドにいるとか、もう滅茶苦茶。 自分達の業界は、幸いにしてまだ大丈夫。それでもフィリピンから看護師がやって…

医療費について

「この病院はすばらしい。営利主義でないところがいい。」 ………いやそれ単にあなたにお金を払う意志が無いだけだから。 「前の病院の主治医はひどかった。支払いをしないというだけの理由で紹介状一つ書こうとしない。」 ………お客さん、食堂でお金踏み倒したと…

よいものと残るもの

引越しをきっかけに、部屋を占領していた書類や本の山を半分近く処分したときに 考えたこと。 ネット以前 学生の頃に愛用していたのは、袋ファイルと製本機。 パソコンはまだ普及してなくて、部屋の壁は全部本棚。 机2つと、業務用のコピー機と製本機が家財…

老人医療の話題とか

老人医療というのは、乾いたぞうきんを絞る世界になっていて、 一食230円の食費を何とかして220円に絞れるよう、 栄養士さんが頭を抱えて苦しむ状況。 介護保険の範囲で医療行為をやろうものならすぐ赤字。 まともなケアなんかできない。 元気の無い高齢者は…

年末進行

先週末から病棟がいっぱいになっていてベッド奪いあい。 昨日患者さん挿管して、その人が亡くなってエンゼルケアしている間に 下痢の外来診て、お見送りして病棟に戻ったらそのベッドには発熱 した子供さんが寝かされていたりとか、もうありえない。 アジャ…

結束力の武器

価値の多様化が進むほど公○党の力が強まる件 Web がこれだけ普及しても変わらないのが、選挙制度と間接民主制。 数の多さと声の大きさとが 同じ価値を持ってしまう、そんな制度。 国会議員だって忙しいから、国民の意見を聞けるのは、平日の昼間ぐらい。 で…

シンガポールの夢の医療制度

破綻寸前のわりにはまだまだ無駄が多いのが日本の医療。 朝の4時に風邪薬をもらいに来る人 湿布だけもらいに来る生活保護の老人 訴訟回避のためだけに行われる、山のような検査 主に世間体とか、年金確保のために生かされる、ほとんど意識の無い痴呆老人 ど…

経済と心理

トラックバックをいただいた記事について。 経済学畑の人というのは、心理というものの影響をどのぐらいに査定しているんだろうか? 過去に起きた出来事の説明なら、たぶん心理はおり込み済み。 その時の人間がどう考えようと、その結果は全て経済活動に現れ…

納得してもらう方法

アナロジーやたとえ話の学びかたと大切さについて。 合意と納得 単純に「イエス」をもらいたいだけならば、それはむしろ簡単。 基本的なやりかたというのは、相手の見たいものが何なのかを推測して、 それだけを見てもらうこと。 合意を得るのに理解や納得は…

労働運動のフリーウェア化

準備が進む美しい国づくり。 審議会の面々がキ○ガイ発言を連発してみたり、説明会の壮大な自作自演が 発覚してみたり、なんだか出だしからグダグダだけれど、とにかく前に進んでる。 反対意見はあんまりでない。 ネット界隈ではいろいろ騒がれてはいるけれど…

「最初の1回だけ無料」ルール

トイレに入るときの救急隊ルール トイレに入ったら、まずトイレットペーパーを手にとる それから便器に座る 消防や救急、レスキューというのは いつ呼ばれるから分からない仕事。呼ばれたらすぐに尻を拭いて、現場に飛び出せるように。 地元の救急隊にも確認…

ストップウォッチひとつでできる簡単! 医者潰し

病棟潰しのストップウォッチメソッド 難病の患者さんを病院で受けた。 いろいろな病院を転々としてきた人。家族の方が、病棟を評価する基準も独特。 ご家族は、ナースコールを押してから、 実際に病棟ナースが駆けつけるまでの時間をストップウォッチで記録…

誰かが壊れる物語

西尾維新「戯言シリーズ」。今さらながらの感想。 作家は現実を負い越せない ありえない状況におかれたとき、人間はどう行動するのだろうか? 人種差別。障害者とのつきあい。資本分配や、社会の様々な格差。 実世界の微妙な状況を議論するのは難しい。倫理と…

正義の利権技術屋の利権

正義のお金の作りかた 正義の名のもとに、何でもいいから大きなものを揺さぶる 揺さぶられたものを一定の方向へコントロールする その方向が制御されていれば、その先にお金が降ってくる ハコモノ利権。病院機能評価機構。 僻地振興を振興したい、あるいはだ…

「話が見える」ためには記憶の想起が必要な件

話が見えない理由 「先生、403号室の○○さんの検査のことなんですが…」 病棟からのPHS が鳴って、その「○○さん」の件が全く分からなくて、 「話が見えません」と聞き返すことしばしば。 その患者さんの主治医は自分。検査をオーダーしたのは、もちろん主治医…

風の谷大学付属病院

宮崎アニメの台詞いろいろ。 2ちゃんねるプログラマー板「天空のプログラマ」より改変引用。 天空の研修医 読める!私にも部長の文字が読めるぞ! ―――――――――――――――――――――――― パズー(研修医): 「おばさん!」 ドーラ婦長: 「婦長とお呼びっ!」 ―――――――――――――…

理解と信仰

オカルトというのは、現象の理解に科学を用いるのではなくて、非科学を用いる体系のこと。 その目的は、怪しげな魔術とか、神話の盲信ではなくて、あくまでも現象の理解。 ここを間違えると、おかしな方向に突っ走る。 信仰も理解の手段 オカルトも科学も同…

美しい道具

道具の美しさや洗練というのは、その代償に進歩を放棄しないといけないのかもしない。 内視鏡黎明期 今胃カメラを習ってる。 師匠は、もう70近く。NHK「プロジェクトX」に内視鏡の特集があったけれど、 あれに出てくる先生方を素で知っている世代。 昔の胃カ…

社会の自然治癒力

万象すべからく数理上に在り 正しい理論を重ねた先には、正しい結果が待っている。 「打ち上げの全ては方程式で導き出せる」 「飛ばなくなる要素を付け加えない限り、絶対に成功する」 漫画「なつのロケット」で、液体燃料ロケットを選択した主人公達は、こ…

鎮火のための爆破メソッド

原油火災を消火するには イラクがクウェートに侵攻したあと、撤退したイラク軍は、油田に火をつけた。 燃料の上におきた火事。こうなると、水を撒いたって消えない。 こうした火災を消すのには、爆薬を使う。 炎上している原油井戸の周囲に爆薬を置いて、炎…

夢見る企画屋

えらい人の思い出 ずいぶん前、東北に飛ばされていたときに、大手銀行の会長さんを診察したことがある。 田舎の一人当直。 50も半ばを越えたようなお供の人を3人ほども従えた、ずいぶん立派なおじいさんだった。 高齢でもあり、一応入院を勧めたのだけれど、…

「みんなの声」実装イメージ

概要 Weblog 時代になっても、ユーザーの多くは沈黙し、発信者は「沈黙のオーディエンス」の罠から 逃れることが難しい。 コメント欄、掲示板といった文字メディアの敷居の高さを補間する、筆者-読者間のコミュニケーション メディア、その実装方法を提案する…

救急当番日

昔いた病院では、一日の外来患者数が1000人越えすると「大入袋」をもらえた。 外来17ブース。1000人を乗り切った17人は、一人当たり300円、病院内の売店で 好きなものを買える。 病院売店も侮れなくて、島の病院なんかに飛ばされていると、 生卵が手に入るの…

「サイレントマジョリティーの声」の実装案

反響をもらえるのはごく一部 いろいろな文章を書いていても、反響をもらえるのは一部。 自分の議論展開というのが、本当に賛同を受けているのか、あるいは単なるトンデモとして 笑われているのか? 今はもう開き直っているけれど、こういうものを書きはじめた…

医療機器の祭具的側面

奈良県の母体死亡事例。 どうして止血剤を使わなかったのか どうしてCT スキャンを撮らなかったのか 医療者側と、患者側、一方が「意味がない」と断じ、もう一方が「絶対そんなことはない」と信じる、 そんな断絶の考察。 魔法使いは杖を持つ 古代ケルト魔術のド…

ウォーリーのジレンマ

一昔前に流行った「ウォーリーをさがせ」。 画面の中にウォーリーが隠れている それをできるだけ早く探す これは特徴抽出の問題。解答に至る道筋はいくつもあるし、最適化の方向も見える。 ルールをわずかに変えるだけで、この問題は解答が極端に困難になる。 …

Advovative Doctor's Life Support

(タイトルはAdvocative の誤植) メッセージの3要素 「正確さ」なんて2の次。誰かにメッセージを伝えるときに大切なのは、メッセージの発信者と受け手、 この両者の「思い」を共有すること。思いを共有できないメッセージは、単なる文字列。 伝わらなければ、意味…

今日この頃

某ゲーム購入。 古い同人ゲームだとおもって侮っていたら、これが極めて強力な廃人製造装置だったという。。。 睡眠時間奪われっぱなし。 感想はいろいろ。 とりあえず、今の仕事を引退したらカトリックに宗旨がえしてイタリアに渡り、 神父として孤児院を手…