2008-01-01から1年間の記事一覧

それがいらない世界を想像してみる

「それ」はたいてい、もちろん必要だからこそ世界にあり続けて、 そもそも「それ」を無くすことにどれだけの意味があるのか、無くしてみて、 世の中どれだけ便利になるのか、無くしてみないことには、もちろん分からないのだけれど。 たとえば「配線」のいら…

今年面白かった記事

アルファブロガー・アワード2008:ブログ記事大賞 に関連して。 自分の知らない世界 id:chnpkさんはどのくらいの強度でスト2を遊んでいたのだろうか 「ぷよぷよ」で知人が強すぎたとき テレビゲームに関する文章。自分のテレビゲーム体験は高校生の頃までで…

足したら引かなきゃいけない

「改革」は常に必要で、それなりにうまく回っている職場においてもまた、 定期的に新しい技術が導入されて、現場には、「複雑さ」が付加される。 技術者の人達は、「それが入ることによって出来ること」を強調するけれど、 宣伝されたすばらしい未来は、来て…

西原理恵子の言葉

西原理恵子の新刊 「この世で一番大事なカネの話 」からの抜き書き。 作者のやってきたことを、「カネ」という価値軸でひもといた本。 努力のしかた 順位に目がくらんで、戦う相手を間違えちゃあ、いけない 目標は「トップになること」じゃない。これだけは譲…

老人を食べるしかない

年配のドクターが多い病院だから、「友達の友達」ぐらいのところに政治家がいて、 医局ではときどき、政治の床屋談議がはじまる。 大局無視の、田舎の財源について。 地方都市の現況 うちの県は、街作りが完全に破綻していて、県庁所在地の駅前でさえ、夜の8…

成熟するとシンプルになる

技術が成熟する、ということは、求められる機能が、デザインへと包埋されていく過程なんだろうと思う。 ベテランは無造作に切る 熟練した外科医は、腕を上げるほどに、あたかもそれが簡単なものであるかのようにメスを動かして、 臓器を無造作に切っていくよ…

サービスの考えかた

認知症の厳しい99歳のお年寄りが今入院していて、看護師さんがそのまんま、 「認知症が厳しくて大変です」なんてご家族にお話ししたら怒られて、 病棟で、「あの家族は厳しいから気をつけて」なんて申し送りしてた。 何かが間違ってると思った。 接遇向上の…

頻度の非対称性について

「どうしようもない人にぶつかる頻度」というのは、サービスを提供する側と、 サービスを受け取る側とではどうしても異なるけれど、救急車というサービスは、それが極端すぎる気がする。 救急車を邪魔する人は多い 患者さんを他の病院にお願いするときとか、…

若い人はご飯が遅い

外来もようやく一段落して、14時だとかその後半だとか、ずいぶん遅い時間になって、 アルバイトに来てくれている若い先生がたは、やっとお昼ご飯を食べに、医局に戻ってくる。 ベテラン勢、それでも自分が一番年下なんだけれど、この仕事をずいぶん長くやっ…

専門家は結論を出せない

病院は「(開業医は)患者を救急搬送したら、墨東に入って手伝ってほしい」と提案した。 開業医たちは「なぜ医師を補充しないのか」「公立病院の責務はどうなったのか」と反発し、 議論は2時間半に及んだが、具体策は決まらなかった。 毎日新聞ニュースより…

はてなからの写真貼り付け

画像アップロードサービスは、実はすごく便利だったかも

「コンマ秒」の改善が人の振る舞いを変える

n-clickを1-clickにすると商売になる。1-clickを0-clickにすると革命になる。 待ち時間を短くすると、みんな「便利だ」なんて思うけれど、人の振る舞いは、そんなに変わらない。 短くなった待ち時間をさらに短く、「ゼロ」に向けた最後の最後、ごくわずかな…

「どこでも同じ治療が受けられる」不幸

NHKスペシャル「がん難民」を見た感想。 がん治療の専門医制度が出来て、今は日本中どこに行っても、ガイドラインに従った、 同じような治療が受けられるようになった(->コメント欄にて「まだまだそんなことはない」という指摘をいただきました)のだけれど、…

業界の嫌話

同業者どうしの年末飲み会のメモ。内科と外科と、整形外科と、あと開業した人達。 内科は減っている。外科も減っている。産科小児科は言及以前で、整形外科も、いろんなところで「減った」という話ばかり聞く。医師自体は増えているはずなのに、「どこに行っ…

寄付の依頼が来た

なんかいろんな人の不興を買ったみたいなので、この記事は消します。 ミスリードばっかりの記事を配信して、どうも大変申し訳ありませんでした。。。。。

専門家のジレンマ

恐らくはあらゆる業界の専門家は、その専門性が高まるほどに、 外から見ると「いいかげん」に見られてしまうリスクを抱えてしまう。 専門家には、「本当の専門家」と、「専門家っぽい人」とがいて、 「っぽい」人の意見は、治療に何ら貢献しないのだけれど、…

共同体工学のすすめ

最近考えていることなど。 言葉の定義 「共同体」と「主催者」というものを想定する。宗教団体ならば、教団と教祖の関係になるし、 パチンコ屋さんなら、パチンコ屋さんの門をくぐった顧客は全て、共同体の一員で、主催者は社長になる 共同体はしばしば重な…

取り違え回避のやりかた

今住んでいる地域には「持ち帰り」に対応してくれる回転寿司屋さんがあって、ときどき利用する。 この地域には、そもそも外食産業がそこぐらいしかないから、いつも忙しそうにしている。 うちには子供がいないから、お願いするのはもちろん「ワサビ入り」の…

「下向き」の想像力について

頭がいい人が、「上」に向かって想像力を働かせて、それまで誰も考えなかったようなサービスを作る方向と、 同じく頭のいい人が、「世の中には想像を絶する馬鹿がいる」という信念の下に、 カモをコントロールするやり方を模索する方向と、想像力には「上」…

答えを出すために規格を作る

解答しなくてはいけない問題が大きすぎて、どこから手を付けていいのか分らないときには、 まずはリーダーとして旗を振る人が、「規格」を作ってしまうと上手くいくような気がする。 電気自動車のこと ちょっと前の「夢の扉」だったか、大学の先生が水素自動…

政治家の作法について

大義を運用して、道義でもって対象を操作することが政治家の「アート」であって、 それを怠ったり、ましてや政策なんてものに頼るような人は、政治家になってはいけない。 阪南市立病院のこと 阪南市立病院で、2000 万円の報酬で働いていた医師が、 市長の交…

理想には情が足りない

大雑把に「理」と「情」というものがあって、情報の送り手と受け手との間で、 「理」と「情」と、両方が揃わないと、人は動かない。 情報の送り手が「理」と「情」両方を用意するときもあるし、提供のやりかたを 工夫することで、送り手は「理」を提供して、…

モデルガンのこと

自分がモデルガンで遊んでたのは、マルゼンがエアーソフトガンを発売して数年後から、 マルイの電動ガンが発売されるちょっと前まで。 火薬で遊ぶ「モデルガン」はまだまだ元気で、エアガンは、スプリングを手で圧縮しないと撃てなかった。 ガスでブローバッ…

現場の能力を「上」が把握するのは難しい

来年度の研修医がますます減りそうで、県内にある基幹病院の先生が、大学のことを憂慮していた。 来年度の研修医を獲得するために、大学は、たしかに多様な研修プログラムを準備しているみたいで、 たしかに大学の「上」にいる人達は、成果を見込んだ努力を…

ボトルネックに商機が生まれる

「炎上コンサルタント」という商売の思考実験。 レンタル犬業者の事例 東京にあった「レンタル犬」の業者が飼っていた犬に、伝染性の病気が発生した。 近所の公園を散歩するのに、お供をする犬を貸し出す業者で、30頭ぐらいの犬を飼っていて、 顧客の人達が…

舞台装置がプラットフォームになる

大きくなりすぎた問題に対して発生するかもしれない無関心のお話し。 新大統領のこと 新しい大統領を警護する人達は、今頃頭抱えてるだろうな、とか想像する。 オバマ大統領が劇的な勝利を挙げて、「負けた」感覚を味わった人は、たぶんすごく多い。 勝った…

「幸福の名人」を探す方法

知識と時間が結びつく 空から食べ物が降ってくるのを期待して、1 日中口開けて空を眺めている人は、そのうち飢えて死ぬ。 農業の知識がある人は、同じ時間を使って畑を耕す。運がよければ雨が降って、そのうち作物が取れる。 運が悪ければ、作物は枯れて、そ…

墨東病院のこと

墨東病院の産科が、11月から2人当直体制を復活させるらしい。 問題が発生した都立墨東病院(墨田区)は、11月の土日祝日の当直体制を、 これまでの1人体制から可能な限り、>2人体制へと強化するとした。(中略) 当直が1人体制の日は、常勤医師による当直…

分散された脅威への対処

いろんな要素が徹底的に分散された架空兵器の思考実験。 中枢を持った脅威のこと あまりにも強力すぎて、事実上弱点の存在しない敵を相手に、「弱い味方」をどう運用すれば勝てるのか。 大昔、OGRE (オーガ) という、巨大戦車を主人公にした ゲームがあって…

「勝つ予感」はデザインされる

恐らくは「名将」なんて持ち上げられるような人というのは、あとから冷静に振り返ってみると、 案外「ショボい」勝利しか上げていないような気がする。 「名将」はその代わり、大きすぎる問題を切り分けることが上手で、「小さく解決する」やりかたをデザイ…