2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

否定の深度について

「いい仕事してますねぇ」の、「なんでも鑑定団」に出てくる鑑定人、中島誠之助の語りが素晴らしいと思う。いかがわしさと人当たりのよさと、矛盾が見事に同居しているようなあの話芸は、出品されたものが「贋作」であったときに、出品者を否定するときに威…

整理タンスは早すぎた

ソースでわかるSixapart転落の歴史 というエントリーを読んで考えたこと。 そもそもプログラムなんて全然分からない、リンク先の人に比べて、圧倒的に低レベルなユーザーであった自分もまた、同じような頃に、違った体験を通じて、MovableType に挫折した。 …

理念とは卑怯の提案

30年以上も昔、担任の先生が産休に入って、代打要員として、音楽の先生が県から派遣されてきた。ちょうどその頃、県の音楽コンクールが重なっていて、「どうせでるなら勝ちましょう」なんて、いろんなことを教わった。 柔らかい音を出す 「トライアングルを…

新刊のお知らせ

レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて という本を出版させていただくことになりました。 文章からは極力医学用語を減らし、医療従事者だけでなく、様々な業界の人にも楽しんでいただけるようなものを目指しました。病院でのエピソード…

嫌われる相手のことを考える

製品の開発であっても、サービスであっても、何か新しいものを作るときには、誰かに好かれるようなものよりも、むしろ誰かに嫌われるようなものを探していくと面白いような気がする。 大手からシェアを奪いに行くときには、どこかに「敵」を設定すると上手く…

不自由さが新機能の土台になる

iPhone やiPad みたいなものに比べると、昔ながらのノートPCはいかにも不自由なデザインだけれど、その不自由さというものは、新しい機能を盛り込んでいく上で、 リスク回避の手段として役に立つ可能性がある。 自己定義が浸食される ノートPCが、「持ち運べ…

本が出ることになりました

新刊のお知らせと、昔話を。 独りよがりな正義が敗北した話 まだまだ駆け出しだった大昔、本院から派遣された僻地の病院で、患者さんを「追い出す」役割を仰せつかったことがあります。 80歳をずいぶん過ぎた糖尿病の患者さんで、血糖管理も素行も悪くて、夜…

作った人の顔を見てみたい

ソニーが新しいAndroid 携帯を発表して、開発した中の人が、インタビューに答えていた。 「特徴を教えて下さい」という質問に対して、開発者は「デザインにあると思います」と答えていて、これは何か違うような気がした。 自慢話が聞きたい 新しい携帯電話は…

相手に刺される想像力

円滑な、最高には遠いかもしれないけれど、少なくとも無難ではある、「お互いに半歩だけ下がって、 丁寧語で当たり障りのない会話をする」関係というものは、人間関係の万能解なのだと思う。 こうした関係を作るために欠かせないのが「相手に刺されるかもし…

無難の伝えかた

「無難」というものは、「最高」の劣化コピーなんかではなく、本来は学びの目標そのものであって、「最高」というものは、 言わばくじ引きの結果として、運がよければあとから付いてくるものなのだと思う。 無難は難しい あきらめを前提とした「最高」を、目…

「ロバスト性」メモ

外乱に対して強く安定していること、「ロバストであること」は、どういう要件を満たすことで成立するのか、そんなことをこれから考えてみたい。 英国の自動車番組「TopGear」 の中で、家に激突しても、海に沈められても、ビルごと爆破されても、動き続けて、…

マスターアップしました

「レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて」 という本を、昨年後半頃からずっと作っていたのですが、 おかげさまで無事マスターアップしました。忙しい中、原稿のレビューをお願いした方々、入稿当日まで原稿の改訂につきあって下さった…

努力には正しい方向がある

どこかに就職したり、何か会社を興してみたりといった体験を持たない、生まれついての「プロの政治家」という人たち、 学校を出て、最初から政治家として活動して、努力した人たちが、そのまま最上階まで行ってしまうのは、恐ろしいことだと思う。 努力した…

オムライスの底力

オムライスという食べ物は、ファミリーレストランが外食の代名詞だった昔、「2番手」を代表するような食べ物だった。 オムライスは、どこの洋食屋さんであっても、材料の順列組み合わせで作り出すことができたから、 どこに行っても、メニューの片隅には、た…