2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

戦争の心理学

戦争の心理学という本の抜き書き。 本書の目的は「裁くことでも非難することでもなく、ただ理解すること」。 「パンツを汚す」兵士は珍しくない 警察官や消防士として負傷者の救出に当たっている人は、負傷者の大小便失禁が珍しくないことを知っている 戦闘…

きれいの弊害 洗練の誤謬

医療みたいな不確定要素を相手にする業界は、「模範的な医師」を想定してはいけないのだと思う。 症例検討会のこと 研修医が患者さんを受け持って、必然と、偶然と、病棟でいろんなことが重なって手術になる。 珍しい病気だったり、病理学的に「きれいな」症…

「医学的」は案外狭い

年次が上がるにつれて、当直とか徹夜とか、だんだん辛くなってきて、 「深く眠る」、ただそれだけのことが、今はすごく切実。 求めるものはみんな一緒。上の先生がたは、エルゴフレックス という寝具を使ってて、けっこう調子がいいらしい。 マットレスと敷…

みんなの意見で社会が滅ぶ

うちの地域でも、中学生以下の小児医療が無料になる。来年あたりから本決まりになるみたいで、 まだかろうじて生き残っている、小児救急やってる先生がたは、今からもう「終わった」とか言ってる。 夜間の小児科外来は、来る子供のうち9割以上は「軽症」。た…

信頼を価値につなげる

ピーク性能自体は決して高くないけれど、裏切らない、不実なことをしない、そんな「まじめ」な人の まじめさというものが、何かの価値につなげられないか、ときどき考える。 その人に成し遂げられる仕事というのは、もっと人件費の安い、中国だとかベトナム…

欺瞞と匿名がネット社会の本質

世田谷区の小学生が、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使った、 独自の鬼ごっこを考え出して遊んでるなんてニュースが、なんだかすごく未来っぽい。 細かいルールは報道されていないけれど、基本は普通の鬼ごっこ。 ゲーム機の通信機能を駆使して…

「大丈夫」の排出権取引をやらせてほしい

今の時代、「大丈夫」という言葉は、腕を磨いて到達するものではなくて、「ここ」という領域を 切り取ってくるものになっている。 テレビに出てくる病院 TBS の医療番組をときどき見る。今時珍しい、医師を褒めちぎるスタンスの番組。 特集されるのは、たい…

粒度について

今さらながら、手術後患者さんの塞栓予防について、「どの薬使おうか」なんて相談してる。 とくに整形外科の患者さんは、術後の安静時間が長かったりで、下肢の静脈血栓を合併しやすい。 足が腫れたり、場合によっては血栓が肺に飛んだりして怖いから、今で…

型のこと

型というのはたぶん、何かを学習するための道具なのであって、それ自体を学ぶべき目標と 定めてしまってはいけないのだと思う。 弓道に関するうろ覚え もう道場に行かなくなってずいぶん経つから、うろ覚えでしかないけれど、 今の弓道で教えられている「型…

学問の舞台設定

しっかりした地盤なしで成立する建物がないように、専門家が「学」を立ち上げるためには、 専門知識が実際に役立つための舞台設定が欠かせない。 砂漠戦に強い将軍がいたとして、その人が単純に「強い」という理由だけで艦隊を率いる立場に抜擢されても、 た…

「元気玉」の社会的有用性

「外傷がひどくて血が足りません。知りあいを当たって、A 型の血液を集めて下さい」なんて、 ご家族に協力を依頼できた時代は、あるいは医師-患者間のトラブルは少なかっただろうなと思う。 その頃はまだ、そこに集まった全ての人が、患者さんの治癒に貢献で…

test

画像投稿テスト。今15ヶ月ぐらい。 後ろから。 去年の5月頃。 壁紙用

「きれいなやりかた」を目指して失われるもの

外傷の患者さん受け持って、いろんな方からJTEC、「外傷初期診療ガイドライン」読むといいよ なんて言われた。読んでみて、やっぱりなんか無理だと思った。 「現場の裁量」認めちゃいけない ガイドラインは分厚くて、「この通りにやれば大丈夫」を目指してい…