2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

良医という普通の存在

以前のケースも今回のケースも、医学的にはたしかに回避不可能なケースで、 それを結果責任で刑事告発されてはたまったものではないのだけれど。 一方で、同様のケースにあたっても何とかしてしまう医者というのも世の中には 多分いて、そういう人達はどんな…

地域医療はどう変わるのか

福島県の産科の先生が刑事告発された。 状況は2年前と同じだ。 理不尽な理由で刑事告発がなされ、みんなが あちこちで憤りを表明し、支援の輪が広がり、意見を発信できる医師は 誰もが悲惨な未来を予想して、そのあと何もなかったかのように日常の仕事へ戻っ…

情報の発信と自我の拡散

自分探しとしての蔵書の探索 本だけは、けっこういっぱい持っている。 ガキの頃から壁という壁が本棚だったのは当たり前の風景だったし、 今でも結局そうなっている。1冊1冊の本は、そんなには大事に読まない。 ドキュメントだろうが小説だろうが、なにか「来…

コモディティ化の果てにあるゼネラリストの約束の地

「専門化した総合医」に未来はあるか 専門家の時代だ。 ○○学会認定医とか、専門医とか。 医療の分野でも様々な「専門家」が活躍して、テレビの報道でも腫瘍の専門医の少ないことが 非常な問題として取り上げられる。 地方からは一般医が逃げている。 自分一人…

青木 眞 先生のweblog

「レジデントのための感染症診療マニュアル」の著者、 感染症内科医の青木 眞先生がweblog をやっておられた。 若手医師セミナー:感染症診療の原則 まだレジデントだった頃、月に2回ぐらいのペースで研修医相手のセミナーを してもらい、授業が終わると熱の…

旅する医者の3つのスタイル

医者は旅をする。 研修中のローテーション。大学を出てからの地方巡業。開業。部長と喧嘩。 アフガニスタンで井戸を掘るため。流れ着いたらずっとそこにいる奴。すぐいなくなる奴。 「旅人」には2種類ある。慣れた旅行者と、不慣れな人と。 不慣れな医者の「旅」…

全体と部分の最適化

帳尻あわせの技術 職人芸というのは、つまるところ帳尻あわせの技術だと思う。 例えば法隆寺。もう1200年以上も経っている最古の木造建築物だけれど、 ハイテクなど使っていなくてもちゃんと建っている。大工の職人芸のなせる業だ。 法隆寺が名建築なのは論…

生扉と生体

生体というのは、うまくいっているときにはその維持のコストは非常に少ない。 暴飲暴食を多少行ってもどうということはないし、3日や4日カップラーメンだけで暮らしたとしても、 それだけで体がおかしくなることもない。 むしろ、規則ただしすぎる生活は生体…

マッチメイカーとしての国の責任

プロレスには仕掛け――アングルがある。 これは決して八百長などではなく、リングのファンタジスタであるプロレスラーの 持ち味を最大限に演出するためには欠かせない物語だ。 マッチメイカーは、プロレスの世界観とか、試合前の選手同士の怨恨や対立、 それ…

当直中のジンクス

当直中。 重症の方もそれなりに落ち着いていて、急患も入ってこない午後。 こんなときに「平和だね」とか、「暇だね」といった言葉を口に出すと、 その日の夜の病棟は必ず大荒れになるという言い伝えがある。 みんなそう思っていても、あえてその話題を口に出さ…

移動生活を続けるのに必要な技術

移動の時期だ。 今いる職場でも、来年度以降の人事の話題が増えた。 来年は○○病院へ移動になった。また小児科が撤退するらしい。 来年大学に残る2年目は、○名いるらしい。などなど。 医師の未来の不確定性 雇用も流動化した。医局が強かった頃は未来が読めた…