2006-01-01から1年間の記事一覧

資源分配の第3の選択

今までどおり集めて、みんなに薄く分配する 多く集めて、みんなに今までどおり分配する 今までどおり集めて、「みんな」を放棄する 限られた資本をどうやって有効に分配するのか。 今までどおりやってたのでは破産するなら、何かをあきらめる選択肢は3つ。 …

NHK「日本の、これから」

総括 「医療、安心できますか?」という副題。 医療者、厚生労働事務次官、患者代表、メディアがそろう討論番組とあって、興味があった。 舞台立てとしては、真ん中に司会者、タレント、厚生労働事務次官氏、医師代表の本田先生、 医師会長、医療ジャーナリスト…

介護はこの先生きのこれるのか

現状と将来 介護病棟は減っていく。現在25万床あるある介護病棟は、 2011年度までに15万床まで減らされる。行き場のない人が10万人増える 福祉に回される予算は、減らされることはあっても増えることはまずありえない 入院できる施設が作られたとしても、補…

影踏み鬼の2つの顔

影というのは、呪術的には本体の延長。 影踏み鬼という遊びには、「その人を捕まえる」「影の中の魔を払う」という2つの呪術的な意味がある。 文章化されて没落する企業 「エクセレントカンパニー」とか、「社長の成功法則」みたいな、提灯持ちの評論でもてはやされ…

それはまた別の話

新聞記者の文章は技術のたまもの 短い文章を書くのは本当に難しい。 「なあに、かえって免疫力がつく」の名フレーズを産んだ東京新聞の社説。 あれだって生半可な技術では、絶対に書けない。 たかだか1000字ちょっとの分量で問題を分かりやすく解説して、 作者…

陰謀論の怪物

怪物不在の陰謀論 「Web2.0が殺すもの」という本を読んだ。 最近流行のWeb 2.0 とは、google や梅田某をはじめとする一部の人々の陰謀であり、 みんな彼らに踊らされ、搾取されている こんな内容。陰謀論は昔から大好きだし、作者の論理も分かりやすくて、 ご…

blogの書きかた

普段気をつけていることとか。 数字的なもの XREA のアクセス解析では、調子のいい日はこんな感じ。 リクエスト成功件数: 43,599 異なるサービスホスト数: 6,525 データ転送量: 1.00 ギガ (10億) バイト ディレクトリごとのアクセスは以下のとおり。 リクエ…

自由のためのパターン化

同じ動作を繰り返して、自分がだんだんと頭を使わなく なってきているという危機感を感じたならば、たぶんその「学び」というのはうまくいっている。 パターン化した動作は、動作が意識に上ることがなくなるから、頭を使わない。 頭を使わないことは、決して悪…

凄いのにそう見えない人

本当に仕事ができる人というのは、一見すると何も仕事をしていない ように見えるのかもしれない。 できるほど透明になる 最近、ベテランの医事課のスタッフが一人、退職された。 「適当にやっておいて下さい」が通用した、数少ない人だった。 何か特別な資格を…

お受験 2.0

前提条件として以下のことを想定した場合の、新しい入学試験形態の提案。 格差社会という現象が今後も続く 「勝ち組み」といわれた人も、先のことが全然読めない状態は続く 少子化は進み、大手学校法人でも、生徒を集めるのに苦労するようになる こんな前提が…

交渉の技術がきかない人

無重力では歩けない 自由は何も生まない。 重力が無ければ、人は立てないし、歩けない。 重力や地面といった制限の無い、無重力の空間というのはもっとも 自由な状態だけれど、この空間におかれた身体は、「歩行という動作」を発見することができない。 動作と…

道具バトン

Dan さんから受け取った道具バトンなるものを書いてみます。 医者の仕事場というのは、たぶん想像されている以上にモバイル要素が強くて、 一箇所にとどまって何かするということがほとんどありません。 そんなわけで、普段使っている道具というのも白衣に収…

御礼

「ネット時代の帝王学」なるエントリーに、久々に反響をいただきました。 まなめはうす様、RinRin王国様、404 Blog Not Found様、 明日は明日の風が吹く様、とりあげていただき、ありがとうございました。 文章はあんまり深く考えていなくて、「すごく…」「…

没入感のもたらすリアル

たぶん「リアル」と認識される根拠というのは、感覚の中心として認識される場所には無くて、 むしろ視野の端、意味をなさない言葉や音、感覚の外の「気配」みたいな場所から知覚されるのだと思う。 銀河鉄道の夜 映画銀河鉄道の夜が面白い。 プラネタリウムでし…

ネット時代の帝王学

昔の王様というのは、祭事から政治、裁判に至るまであらゆることを 仕切っていたから、この世のあらゆることに精通している必要があった。 帝王学というのは一般教養のこと。よい王様になってもらうために、 国中のあらゆる学者が王のまわりに集まった。 城…

劇的空間としての書店と病院

書店にあって Amazon に無いもの たぶん、読書量はそこそこ多いほうだと思うけれど、 Amazon.com ではあんまり買い物をしなかったりする。 Amazon.com には、情報はあっても、出会いがない。 本屋さんで本を買うという行為は、単なる情報の購入とは、少し違…

病状説明のやりかた

夜間によく来るめまい発作の患者さんで、プラセボに依存している人がいる。 気分が悪い、動けないといいながら、スタスタ歩いて外来に来る。 生理食塩水を筋注すると、症状はすぐにおさまる。 時々、眼振を伴った本当のめまい発作をおこすことがあって、そう…

現実は夢

時を越える血統の力 みんな自分自身を信じられるほど強くはない。 だから、伝統を信じ、血統を信じる。 そして、未来を信じようと試みる。 成功する人、失敗する人。 「血統書付きの一族」というのは本当にいて、一族郎党みんな大学教授の一家があったり、 …

記号になった医師の価値

ずいぶん前、島の診療所に派遣されていた医師の話。 僻地の医療に熱意があって、大学から離島の県立診療所へと派遣されていたその医師は、 あるとき学会への出張を県に願い出たらしい。 本土の学会へ出張したいので、その日1日だけ、代理の医師を派遣しても…

おいしゃさんとおにくやさん

お医者さん お肉屋さん 先頭に「お」がついて、最後に「さん」がつく職業。たぶん探せばいろいろあるんだろうけれど、 すぐに思いつくのはこの2つだけ。 「お」と「い」の音というのは、口の運動を考えるとつながりやすい。 この2つの職業に「お」がつく理由というのは…

文系亡国

何もかも文系が悪い。 技術系はみんな頑張ってる。文系は余計な足を引っ張って、 全てを台無しにする。 医者も理系。みんな一生懸命頑張ってる。 法律家や市民団体は文系の巣窟。連中が、日本の医療を駄目にした。 王監督が退院しない。 プロ野球ファンもそ…

愛媛県のひみつ

みかんを常食にしている愛媛県民は、体内に大量のビタミンCが含まれていて、 亡くなった後も遺体が腐敗しない。 愛媛大学の解剖実習室には、だからホルマリンの臭いが一切しないらしい。 愛媛県の蛇口には、水とお湯と「ぽんジュース」の3系統があるそうだ…

物語創造の文法

物語だけじゃなくて、たぶん現実も。 何もないところから全く新しい文章を書くのは難しいから、 何かを書くときは、過去に他の人が書いたものを参考にする。 一つの文章というのは、書くきっかけになる「発想」の部分と、 その文章で作者がいいたかった「結論」…

僻地に医者を増やすには

昔から人の少ないところでしか働いたことがなかったから、 実は「人不足」というのはあんまり実感がなくて、 今も僻地の一般内科をやっているけれど、そんなに危機感はなかったりする。 悪いものでも評判は評判 最近のボクシング中継とか、映画「ゲド戦記」とか…

出産数日本一の病院で摘発

横浜市瀬谷区の産科・婦人科・小児科病院「堀病院」(堀健一院長、病床数77)で、助産師資格のない看護師らが妊婦に「内診」と呼ばれる助産行為をしていた疑いが強まり、神奈川県警生活経済課は24日、保健師助産師看護師法違反の疑いで病院と院長宅など…

言葉のはじまり 神代のおわり

魔術師は古いものを集める 古い祭具。古代の呪文。 時の試練を経たものには、古いというだけで神秘的な力が宿る。 ものの進歩の歴史というのは、魔術師にとっては堕落の歴史。 技術が進化し、学習可能なものとなり、それを使える人の数が増えるとともに、 神…

疫病のこと

ほとんどの病気は他人には伝染しない。 針刺しなどによる感染の危険というのはあるけれど、 医者の仕事というのは見た目以上に安全だ。 自分自身は安全地帯にいて、そこから病気に対してできることをやる これが医者の仕事の基本。 伝染する病気を診察すると…

ゲド戦記見てきた

こんな感じ。 宮崎 駿(父親のほう)は頭の中に作りたい映像があって、 それを実体化すると、結果的に宮崎アニメになる 息子のほうは、とりあえず「ミヤザキアニメ」みたいなものを作りたいという 欲求がまずあって、とくに撮りたい映像なんかないから、 なんだ…

医師の相互評価は不可能だろうか?

医師の技量によって、診療報酬に差がつくらしい。 「医師の技量で診療報酬に差 次期改定へ提案目指す」 (毎日新聞 7/25) 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は今月末から、 医師の技能に応じて診療報酬にランクをつける検討を始める。 手術のうまい…

blog 管理者の正体を暴く方法

医師の書いている日記が増えた。 4-5 年前までは本当に少数。blog なんてサービスもまだ無い頃は、 ネット上で何かを書いている同業者なんて、ちょっとしたリンク集に載せられる程度しかいなかった。 Weblog がブームになって、同業者の日記が増え、m3.com …