2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

倒れにくいマグカップについて

デザイナーが暴走した製品が大好き。 鉄板を切れる性能を目指して、文房具の範疇を明らかにはみ出したハサミとか。 高精度を追求しすぎて、デザインが異様にごつくなったホチキスとか。 性能が良い、使いやすいものが作りたい。 そんなデザイナーの思いはし…

社会の失明とネットワークによる信頼の担保

最初の頃に信頼を担保していたのは「もの」それ自体。 社会が大きくなって、「良いものを見る目」を多くの人が失って、 信頼を担保するのは「人」の役割に。 社会がもっと大きくなって、「良い人を見分ける目」を持った人が少なくなったこの頃。 次に信頼を…

「釣り」の返しかた

いない「誰か」を見せるやりかた たとえば外界から隔絶した部屋の中で2人、カウンセラーと被験者とが6時間ぐらい。 被験者から話を聞いたカウンセラーは、常に隣の「誰か」と相談してから返答を返す。 被験者は、見えない「誰か」をいぶかしみながら、治療者…

市場の崩壊と品質の帰還

業界が大きくなると、競争のルールが「品質」から「価格」に代わる。 「そこそこ」のものを大量に発売することで利益をあげようとした業界からは、 製品の質に満足できないユーザーが離れてしまう。 一度下げた品質を戻そうにも、品質の悪い物が支配的になっ…

ニコニコ動画と歌舞伎

当直あけの休日。 朝から日本酒引っ掛けて、銀座ぶらつきながら歌舞伎座へ。 全身大江戸モードになって舞台見物した後、近くの茶屋で「三代目みたいな艶っぽい弁天小僧を 演れる役者はもういねぇ…」なんて味わい深い爺のつぶやき聞きながらまた飲んで、 松屋…

「意識の骨格」というもの

糖尿病のコントロールが悪い患者さんは、しばしば手足の痛覚を失ってしまう。 麻痺が出るとか、振るえてしまうとか、機能的なダメージはほとんどでないのに、 痛覚を失った患者さんは、手足に対する「関心」を失ってしまう。 糖尿病患者さんの手足はしばしば…

正しい学の衒いかた

上級生 : 先生、デコンペッてる? 研修医 : 枕2 つ分ぐらい 「デコンペる」というのは、decompensation 。代償不可能な心不全という意味。 心臓の悪い患者さんは、横になるとかえって苦しいから、 欧米では、ソファの下に枕を入れて、頭を高くして寝る習慣が…

「変な社会」のつくり方

昔挫折した犯罪小説のプロット。見たことがあるような人が出てくるのは、たぶん気のせい。 きっかけはたぶん、疲労感から。 大きな夢と、志を持った技術者と。 毎日の徹夜。繰り返される学園祭前夜。 生み出される新しい技術。拡大していくコミュニティ。 目…

ネット時代のランチェスター戦略

ネットワークの法則 コミュニティが分割されておらず、十分に大きいこと 個人同士が、各々同程度の弱い関係で結び付けられていること コミュニティを形成する個人に同一性が認められること ネットワーク化が進んだコミュニティは、小さな刺激で全体が動く。 …

メッセージの担い手としての代替医療

「生き死に」にかかわる医療はなぜだか叩かれてばっかり。 上手くいって当然。失敗したら訴訟。 高リスクの診療と、高付加価値の診療とは必ずしもイコールでなくて、 忙しい大学病院でやっていることというのは、高リスクの高度医療ではあっても、 それが必…

組織の維持に必要なもの

コミュニティを互助的なルールだけで維持していくには 「最低限これだけ」という大きさがあって、それは恐らく数千人規模。 それより小さな組織を維持していくためには、 「理不尽さの引き受け手」になる誰かの介入が欠かせない。 糖尿病患者会のこと 糖尿病…