2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

設計者の「運の良さ」

アポロの番組を見た。 あまりにも多くの運が、あのミッション支えてるの見て感激した。 アポロ8号は、月着陸船のコンピューターが着陸寸前に故障したのに、 気合で何とかなった。 アポロ12号は、大気圏突破する時に雷に打たれて、電気系統 全部吹っ飛ばされ…

透過的ルールと能力

うちの地域でも今度から、小児科医療が無料化するらしい。 県知事が会見開いて、「予算の問題はあるけれど、各地域協力してほしい」なんてやってた。 大学にも少しづつ小児科が増えて、うちの県限定で、 せっかく小児科が復活しかけてたけれど、これで「終わ…

技術の先に見えてくるもの

技術は極限まで磨かれ無意識的に行われるまでにならなければ、 目的を達することは不完全になる。 自動車の運転はすべての操作が無意識的に行われてこそ、 景色を楽むことができる。技術者は技術の先にある成果を目標とすべき コメント欄から抜粋 コメント欄…

技術追求の誤謬があるのかも

「技術を極めることが優れたプロダクトにつながる」と信じて、 ひたすらに腕を磨くような技術者のありかたは、 たぶん間違っている。 製品単独として優れていることは、必ずしも「優れたプロダクト」であると 認知されることにつながらない。 「優れている」…

不自由な安心社会

輸血のこと 手術中の出血がひどくて、妊婦さんが亡くなった。 メディアの人達は、術前に用意した輸血の量が少なかったなんて叩いてた。 同じ頃、輸血製剤の合併症も叩かれてて、 「安心できる輸血製剤」の登場が求められてた。 法律が変わって、全ての輸血製…

公立病院民営化について

国内にいる全ての医師を国家で召し上げて、政府の人達が、地域の需要に応じて 医師の配置を決めればいいんだと、今でも思ってる。毛沢東国家主席がかつて行った、 「文化大革命」の時みたいに。 世の中から「開業医」という仕事はなくなって、地域の基幹病院…

標準偏差の復権が来るのかも

道路特定財源のお話が、ニュースで流れてた。 夜にやってたのは、都内で開かれた道路討論会。民主党の国会議員と、 宮崎県の東国原「そのまんま東」知事と、あと何人か。寝る前に見たニュースで流れてたのは、 和歌山県を視察しにきた民主党議員と、それを迎…

医療のない都市のこと

隣接する市の救急体制が完全に吹き飛んだ。 10 万人以上住んでるところなのに、夜になるともう、どの施設も救急取らない。 そこにはたしかに救急輪番制もあって、「救急指定」うたってる病院は いくつかあるけれど、実質機能していない。専門家がいないだと…

社会の情報構造

ジャンプしたり、走ったり。「筋肉が収縮する」という、ごく単純な動作の集積は、 骨格という構造により複雑な動作へと変換される。脳は身体を制御するけれど、 身体には、その構造それ自体に織り込まれている情報や「知性」を持っていて、 動作というものは…

医療サービス「紳士の薬箱」

これから先、専門技能とは無縁の一般内科が報われることなんて絶対ないから、 将来のことはいろいろ考えてる。 能力ないし、今さら転職とか、他の業界に移ったところでやっていけるわけがない。 開業医というありかたは、基幹病院が提供しているインフラにた…

マニュアル診療の楽しさ

ガチガチの行動規範に縛られた医療現場は、それでもやっぱり楽しい、はず。 「楽しさ」というパラメーターは、要するに「特別さ」の度合い。 振る舞いが自由であることそれ自体は、「特別である」ことを保証しないし、 振る舞いが「量産型」に規定されても、…

量産型はダテじゃない

昔から救急外来という場所が好き。怖いし疲れるし、 最近は、いろんな人から文句言われたり訴えられたり、 ろくなことが起きない場所なんだけれど、それでもやっぱり救急が好き。 リスク回避の手段を前から考えてる。リスク管理の問題さえ解決できれば、 こ…

真実の論理脆弱性

痛みの定量問題 「痛み」「苦しみ」みたいな、定量不可能症状は、評価をするのが難しい。 医療主義は、患者さんの訴えというものは全てが真実であって、 痛みや苦しみの原因は、もちろん患者さんの体内から発生すると考える。 ここを外すと、この商売は根本…

自走式大腸内視鏡

「傘袋」みたいな細長いビニール袋を、入り口側から裏返す。ちょうど「ちくわ」みたいな物体ができる 袋の入り口側から空気を入れると、「ちくわ」は内側から伸びていって、元の形、棒状の風船に戻ろうとする。このとき、傘袋の「底」にあたる部分は、空気圧…

「地域医療請負会社」の可能性

外科医が減ってるらしい。 この2年間ぐらい、全国どこの医局にしても、外科内科にはまともに人が入らない。 大学だけの問題ではなくて、県内で一番多くの人を集めた市中病院もまた、 残ったレジデントは、みんな忙しい科を避けたらしい。 「入局者ゼロ」が2 …

正義論理の市場開放

「どんな正義のもとに、その行為を行ったのですか?」という質問に 答えられない人には、経済活動を行う資格がない。 単純に商売を行うにしても、立場を主張して利権を獲得するにしても、 誰かの「損」を通じて利益を得る人達は、「その行動こそが正義である…