2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

法律の人達は神様でも裁いてればいいんだと思う

制御解決と構造解決 昔聞いた話。どこかの老人保健施設は、病棟の廊下がすべて斜めに交差していて、 上から見ると、ちょうど「魚の骨」のような作りになっているのだという。 病室から廊下を歩いて、「背骨」に相当する中央廊下に出た老人は、 道なりに「頭…

「見える」を容易にする技術

たぶん「状況を作り出す技術」と「状況に適応する技術」とがあって、 ニュースに乗っかる新技術というのは、たいていの場合後者のほう。 状況を作り出す技術というのは、地味だったり、 あるいは技術的にはそんなにすごいことをしているわけではないけれど、…

言葉の強度について

たとえば病理学者に患者さんの怪しい組織を見せて、「癌でしょうか ? 」なんて。 「癌です」あるいは「違います、大丈夫です」。これが強度のある言葉 「核に中等度の異型があり、細胞配列がわずかに乱れています」。この言葉に強度が不足 たぶん「強度」と…

学習の道具としてblog はあんまり役に立たない

大昔。そんなに忙しくはないけれど人間は圧倒的に足りてない、そんな病院に一人飛ばされて、 世界と自分をつないでくれるのはダイヤルアップの電話回線一本きり。 馬鹿だったけれど若かったから、せめて電話回線の向こう側の人たちに、 「自分がここにいる」…

将器というもの

身内に医師がいる患者さんを診察するときは、そうでない人以上に気を使う。 実際のところ、頭フル回転させてまじめにやろうが、反射神経だけでいい加減にやろうが、 患者さんの予後はほとんど変わらない、はず。たぶん。 治る人は誰が見たって治るし、そうで…

断絶の影で穏やかに変化する何か

激変している状況のすぐ側で、穏やかで連続的な変化を続けている何かがあれば、 それはもしかしたら、大きく変化した状況の原因になっている可能性がある。 激変の原因に、別の激変をつなげる理解のやりかたは、 分かりやすいけれど、もしかしたらしばしば、…

魔界への手引書

あらゆる交渉には、交渉によって得られるものと失うもの、 「賭け金」に相当する概念があって、交渉ごとをトラブルなく進めようと思ったら、 この賭け金をなるべく安く抑えないといけない。 交渉の賭け金がつり上がっていくと、つまらない利害の対立が、 い…

病名を避ける退院交渉

最近は、病名を使って話をすることを極力避けるようにしている。 「肺炎が治ったから退院しましょう」ではなくて、 「抗生物質を中止しても発熱が再燃しないようなので、あとは外来で…」みたいな。 それが正しいのかどうかは分からないけれど、 そのほうが患…

技術の接木可能性

技術は過去に蓄積してきたものの延長線上にしか発達しえないし、 そうではない、本当に画期的な提案というのは、たいていの場合過去によって潰されてしまう。 それが優秀であろうが無かろうが、今までみんなが使ってきた技術というものは、 「みんなが使った…

無邪気な人とのつきあいかた

無邪気さというものが敵に回ると、展開は最悪になる。 邪気のない人。いい患者でありさえすれば、いい家族でありさえすれば、 いつの間にやら医者には良心が芽生えて、患者さんは「すっかりよくなる」なんて、 心のそこから信じている人。あるいは本当はそん…

ネットからお金を引っ張る方法

ネット世界では、欲求を満足させるための手段は常に複数提供されて、 たいていの場合、その中にほとんど無償に近いやりかたが隠れている。 何を販売しても「無料」ルートが存在する、そんな世界でお金を引っ張ろうと思ったならば、 対価を支払うことそれ自体…

終了判定の問題を考えている人がいた

IHARA Note というblog の紹介記事。 以下は全て、リンク先blog 記事の抜書きと、自分の感想。 指摘されてしまえば当たり前のことなんだけれど、 終了条件が提示されていない問題は解くことができないし、 解決を求められる世の中の問題の多くは、「解決」の…

時を止める人

100年以上生きている人がいる。 寝たきりになって、濃厚流動食を流し込まれてやっと「100」に到達したのではなくて、 100 年という時間ですら、単なる通過点にしかすぎないような人。 どこの病院にも、たいてい1 人ぐらいはそんな方がいて、例外なく異様に元…