2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

医療も「人間」から卒業していいと思う

患者さんは症状を抱えて、それを解決したくて病院に来る。 症状と治癒、両者の間には、当たり前のように「診断」が鎮座するけど、 「診断は不明で何となく治る」ことなんてよくあるし、 診断がついたところで、治らない人はやっぱり治らない。 診断という床…

経済活動を正当化する物語

技術には、漠然と「実力レイヤ」と「政治レイヤ」というものがあって、 技術が成熟してくるに従って、政治レイヤでの発言力が、業界の流れを左右する。 技術的にいくら「正しい」ことをやっていようと、政治的に自らの正当性を主張できない人達は、 その技術…

幸福の複雑性

社会の「成功」を、富の大きさで判断することは正しいんだろうか? たとえば「文字数」は、本を表現するパラメーターのひとつではあるけれど、 文字数それ自体は、「本の面白さ」を保証できない。白紙はつまらないけれど、 文字が膨大だからといって、その本…

機会の均等とオークション制度

「青信号」オークション 「青信号」をオークションで購入できると、きっと面白い。 ある程度の対価を支払ってでも急ぎたい人は、自分の車にETC みたいな機械を積んで、 信号機に近づいた時点で「入札」を行って、「青信号」の競売に参加する。 信号機の切り…

ベッドから始まる経済

寒くなったからなのか、また病棟がまわらない。病棟中探しても、 空きベッドあと3つで当直入りとか、ひどい状況。 このあたりの病院が閉まる18時前後になると、「入院が必要と思われます」なんて 紹介状を持った患者さんが増える。たいてい元気で、症状は5 …

自閉する道具としてのインターネット

今はまだ法律の問題があるから不可能だけれど、「西洋薬箱」のサービスをやってみたい。 契約結んだ人の自宅に、日曜日の救急外来に置いてある程度の薬、 体温計と、電話回線で飛ばせる聴診器、人体に番号を振った地図、 あとは体のあちこちを押して、圧力を…

NHKのインフルエンザ番組

発症率と弱毒化 ウィルス感染症みたいな疫病のお話をするときには、体内に入ったウィルス粒子が 実際に病気を引き起こす「発症率」と、ウィルスや細菌が進化する方向としての 「弱毒化」の問題とがあって、危険度の見積もりかたで、温度がずいぶん異なる。 …

病院がソーシャルネットに自閉するとき

「100人村」の料理店 人口100 人の村にある、ただ 1軒の料理店は、 裏切りがばれた瞬間に村を追放されるから、村人を裏切れない。 村人は安心だけれど、その代わり、その料理店が本当に「おいしい」ものを出しているのか、 比較できないから分からない。 100…

マニュアルを読むだけの簡単な仕事です

統計学が世界を変える 「その数学が戦略を決める」という本を読んだ。統計学の一般書。 ワインの質とか裁判の結末だとか、「専門家」の予測よりも、 統計ベースの簡単な予測式で作った予測のほうがよっぽど正確だとか、 「専門家の欺瞞」を統計学が暴くお話…

「変わらない前提」を維持するワクチンのこと

「事実が事実として通用する」世の中は、恐らくは不自然な状態。 もちろんそんなありかたが心地いいと感じる人が多数派だからこそ、 たいていの場合、事実は事実として通用するけれど、 「事実がそのまま通用すること」と、「その事実が運用不可能であること…

喧嘩作法としての相対化

定説に抗いたい、あるいは定説が「真実」として動かない状態からは利権を引っ張れない人たちが、 定説を「運用」可能なものへと変換することで、状況を大きく動かす。 まだまだ不完全だけれど、一般化して応用できそうな喧嘩のやりかた。 飴では変わらない …

正しさから自由になるべきだと思う

医療過誤訴訟なんかでの決まり文句「真実が知りたい」にまつわるお話。 昨日盛り上がっていた南京大虐殺周辺のお話で、誰かが 「決議や謝罪要求の有無に関係なく、歴史的事実は存在する」とコメントしていた。 けっこう驚いた。個人的にはもはや、「事実であ…

初夢:全共闘オンライン

追記:「不謹慎」との声をいただきましたが、お正月期間すぎたので、再アップしました。 最後のほうにネタバレみたいな「まとめ」を追加しています。 対立軸が多様化して、様々なスローガンとか道徳なんかが無効化していく中、 「世代間の対立」は、これから…