2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ルールで道徳を実装するやりかた

たとえば「2 つ以上の医療機関を受診した場合、それぞれの医療機関への 診療報酬の分配は、患者さん自身が決定できる」なんてルールを現行法に 付け加えてしまえばいいのだと思う。 対価の行為随伴性 患者さんを投げてよこす近所の先生がいる。 昼過ぎにきた…

診療における価値動作

動脈穿刺の秘訣 とりあえず動脈を触れる 触れた指の力を徐々に抜いていく 動脈は丸いので、最後まで触れている場所の真下に中心がある そこを狙って穿刺する 心カテをするには、動脈を穿刺できないと話にならない。肘の動脈なんかは結構深いところにあって、…

ネット時代の煽動技法

ジャーナリストの 有田 芳生 氏が、北村弁護士の演説を、コラムで批判的に紹介していた。 「声が裏返り、口汚く語っている。どこの議員だろうかと冷ややかに見ていたらキタムラとかいうタレント弁護士だった」 有田 氏の言論は、一見見たままの事実を語った…

北村弁護士の演説のこと

北村弁護士の応援演説が 熱くて面白い。 結局麻生総理は実現しなかったけれど、 「おっさんが熱く語るのは、本当はかっこいい」ことを示し得たこと、 「個人の言葉はまだまだ力を持っている」ことを示したことは、大きな成果だったと思う。 言論の担保を自分…

美的感覚が逆転するとき

「相転移」という現象が面白い。環境を決定するパラメーターの変化は常に連続的で、 ゆっくりとしたものなのに、表面に現れてくる変化は劇的。昨日まで何も変わらなかった 日常の連続が、ある日を境に全くの別世界になるような。 技術が成熟して、同じ事をや…

社会の表現型としての道徳

道徳というものは、環境の変化に対して社会がとる表現型であって、 道徳をいくら叫んだところで、環境を変化させない限り、 社会が道徳に追従することはないのだと思う。 医者が良識を失った。マスコミが露悪的になって、国民は怒り、政治家は迷い、 弁護士…

対立の先に生態系を見出す

対立関係にある状況というのは、視点を変えてみると、 お互いに何らかの生態系を構成していることが多い。 いくつかの条件を満たすなら、対立という「お互いがお互いを滅ぼしあう関係」よりも、 むしろ「お互い複雑に依存しあう」という生態系の考えかたのほ…

帯域制限のこと

帯域制限という言葉にずっと引っかかっている。 視覚や触覚は、センサーの情報全てを脳に伝えるわけではなくて、 脳からの指令で「見たいものだけを感覚する」制御を受けて、センサーの段階で情報制限をかける 生まれてばかりの子供の手足は、大人以上に自由…

生き延びられる場所について

商売をする場所には大きな人の流れというものが必ずあって、 みんなその「流れ」の中に身を置いたり、傍らにたたずんだりしてお金を稼ぐ。 流れは年々厳しくなって、お金を稼ぐやりかたは、これから減りこそすれ、 増えることはあんまり期待できなくて。 生…

ギルドとしての医師会に足りないもの

おそらくは「業界」というものは、 「勝つ戦略と負けない戦略」、「ピーク性能と信頼性」という、 両立不可能な2つの対立軸でマトリックス平面上に展開できて、 業界同士の平面上での隔たりは、そのまんま業界ごとの仲の悪さとか、 話の通じにくさを説明する…

機械親和的な問題定義言語

正しい問いは答えを含んでいる たとえば「このだるい身体を何とかして下さい」という問いには誰も 答えを用意できないけれど、「40代やせ型女性。半年前からの動悸、体重減少、 発汗。診断は?」なんて問われれば、国家試験前の学生ならば 10人が10人、「甲状…

悪役が引っ張る議論手法

医療崩壊、産科滅亡なんて記事が連日話題になって、 鬱々としながら地元の医師会報を見た。 「80年代以降のカレラを全種類集めてます。最近子供からもっと実用的な 車を、なんて怒られて、脇道にそれてカイエンターボ買っちゃいました。てへ♪」 いつも患者さ…

啓蒙的な、サヨク的な

考えたことを発信する行為を続けてきて、いろんな反響をいただいたり、 参考になったり、勉強になったりするほかのサイトをのぞいたり。 「上から目線」、あるいは、サヨク的な何か。 あなたが間違っていることは知っている。自分は勉強してるから。 答えは…