被弾したあとのことを考える

1970年代前半、アメリカで新しい考えかたに基づいた攻撃機が設計されることになって、 アドバイザーとして、当時現役を引退していた、ベテランパイロットが招かれた。

実戦というものをよく知っていたその人は、これから作られる航空機に対して、 「被弾しないようにするよりも、被弾したあとのことを考えよ」とアドバイスした。

飛行機は実際、その方針で設計されて、片翼がなくなろうが、エンジンが片方吹き飛ばされようが、 何があっても飛び続ける航空機が出来上がった。

現場からの信頼を得たその機体は、 砲弾の飛び交う中、今でも現役で活躍しているんだという。

注意書きは役に立たない

「○○の可能性があるから気をつけること」なんて、教科書にはたいてい書いてある。

ところがたぶん、たいていの場合、教科書を開くのは、「○○」をやってしまったあとだから、 慌ててページをめくった先に、「気をつけよ」なんて書かれていても、余計なお世話だって思う。

特に現場で使うマニュアル本を書こうと思ったならば、読者を「被弾しないように」誘導するような 記述はあまり意味をなさなくて、むしろ被弾したあと、それでもなお、患者さんを立て直せるような、 そんなやりかたに行き当たれるような書きかたをしないと、現場で使えない。

進捗状況

週末こんなことを考えて、また少し直しました。

  • 「考慮する」「注意する」系の、後ろ向きな記載を削除しました
  • 血液生化学検査の解説を、もう少し断言口調に直しました
  • 鑑別疾患の記載が微妙に増えました
  • 略語を増やし、減ページを試みました

こちらからダウンロード してみて下さい。

けっこう記述が変わっていると思います。