平凡なおもちゃの非凡な価値

  • 問題が簡単そうに見えたなら、その人はまだ、問題の複雑さを理解できていない。 「解答」に驚きを感じたなら、そのプロダクトは、まだ完成していない
  • 問題に突き当たって、その複雑さを理解できた人が作ったものは、たいていの場合、複雑すぎたり、 あるいは新しさが必要以上に強調されて、受け入れられない。ここが出発点になる
  • 複雑すぎた第一世代は、洗練を経て、平凡に回帰する
  • 新しいけれど複雑な製品は、どこかで根本的な何かを突破して、シンプルで、画期的な何かへと生まれ変わる。 本当に画期的な製品は、誕生と同時に、常識を上書きしてしまう。それは一見すると、 なんだか昔から存在していたような、誰でも思いつきそうな、平凡なものに見える
  • おもちゃはしばしば「本物の道具」よりも役に立つ
  • 「おもちゃ」のおもちゃらしさというのは、使いやすさであり、見通しの良さであり、応用可能性の高さなのだと思う
  • もしも使いこなすことができれば、ビルでも造れるような重機は、たいていの人が「すごい」と賞賛するけれど、 自分でビルを建てるという需要を持った人はほとんどいないから、普及しない。すごいのに
  • 「重機のすごさ」を否定する人はいないけれど、ちょっとした本棚を作るだとか、 家庭菜園を掘り返すのに、普通の人は、重機を使わずシャベルを使う。ちゃちだけれど十分に用が足りる、 そうした製品はシンプルで使いやすいから、生活の、いろんな場面で使われて、応用されていく
  • 「ユーザーの身の丈にあった想像力を刺激すること」が「おもちゃ」のありかたであり、それを目指すべきなんだと思う
  • 手が届くこと。それを使っている自分が想像できること。技術の見通しがよくて、 シンプルで、あまつさえ「平凡」に見えるプロダクトが、たぶん世の中を大きく動かす