クッキングチャートの文法

"Cooking For Engineer" - BluePillの別宅 で紹介されていた、 料理の手順をチャート表示するやりかたが面白すぎる。

「NSチャート由来だろう」なんてコメントがついていたけれど、たしかによく似ている。

クッキングチャートは、フローチャートみたいな条件分岐を捨てた代わりに、縦軸に料理の材料、 横軸に時間をそれぞれ展開することに成功していて、料理の手順は、 材料と、時間と、それぞれの意味を併せ持った場所に展開することが出来て、 料理の手順を一望できる。

おおもとのサイト には、様々な料理の手順が公開されていて、 この表示方法にも、一種の文法みたいなものが設定されている。

2008-12-01 - BluePillの別宅 には、 このチャートの描きかたが記述されている。この方はエクセルか何かで書いているみたいだけれど、 大本のサイトは、HTML のテーブル環境で書いているみたい。LaTeX で同じことが出来そう。

で、材料を、特定のタイミングで、特定の手順で処理していくと、料理が出来上がる。

患者さんの治療というものは、本来まずは症状があって、怪しそうな場所から順番に調査して、 どこかのタイミングで、「病名」という正解を「発見」するものだから、そもそも料理みたいな 手順が出来たらおかしいんだけれど、実際問題、病名も、症状も、患者さんの体が取り得る状態も有限だから、 手順をまとめることは、不可能ではないはず。

具体的には、正しい病名の決定をあきらめて、「分からないけれど、当面死なない」状態を目指す。

  • 「ある症状を持った患者さん」というものが、料理でいうところの料理名になる
  • 料理の材料に相当するものは、「その症状から考えられる致命的な病名」に置き換える
  • 料理の手順だとか、料理方法に相当するものは、検査だとか、あるいは治療、 抗生剤を使うとか、CTスキャンを撮る、翌朝まで絶食を指示するとか、そういうものになる
  • 治療という行為は、だから「致命的な病名を、特定の手順で、特定のタイミングで処理していくと、 分からないけれど死なない状態にたどり着く」ための方法論と定義される

ある程度現実的に、総合医というものを考えるなら、こういう定義しないと厳しいと思う。

以下文法。

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これが基本的な書きかた。「材料名」と「分量」に、それぞれ「致命的な病名」と「特徴」が入る。

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一番上の行、「オーブンを温める」みたいな記述は、「点滴をとる」だとか、「心電図モニターをする」だとか、 あるいは「挿管の準備をしてもらう」「救急カートを用意する」みたいな手順が入る。鑑別診断をかける前に、 全ての患者さんに対してやっておくべきこと。

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ある程度複雑な表。「横書き」と、「縦にした横書き」を組み合わせたほうが見やすい気がする。「縦書き」は、 読むリズムがなんか違う気がする。LaTeX なら、rotatebox 環境で何とかなりそう。

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罫線の「欠け」は、「塩を振る」みたいな、このタイミングで、ちょっと考慮すべき、みたいな 感覚で使えばいいのかもしれない。

わかりやすいレシピ帖 - so what?@hatenaで紹介されていた、 古い料理の教科書のレイアウトは参考になる。。こういうの作りたい。