「制約指向」メモ
- ある種の制約は自由を増やす。ある種の自由は人間の負担を増す
- 毎回考えていると負担になることを「制約」としてまとめることで、プロジェクトの戦略的な実施や、バグの地獄からの解放という「自由」が得られる
- プログラム言語にとっての「勇気」とは、プログラマにある種の制約を強いること」
- Ruby on Rails は、プログラマの意図をあえて決め付けることで,特定の文化を背負ったプログラマにとっての利便性を追求したのだと
- いい制約とは「望ましい習慣の押しつけ」
- 「不自由が自由を作り出す」というのが、企画や設計の基本(某劇場管理人からいただいたコメント)
- 信号機や交通ルールという不自由があるからこそ、自動車は自由に行きたいところに行ける
- 人間は、身体から持ちだした制約を通じることで、はじめて自ら置かれた空間を認識できる
- 我々の脳は、制約によって構成されている事物であるがゆえに、全くの自由を想像できない
- 世界には無限の自由度がある。制約を記述することで、自由度が減る代わりに、情報は、交換可能性を得る
- 言語に制約が積み重なると、ついには文法的理解に到達する
- 語彙というものはそれ自体制約であって、それは単なる単語のリストではなく、文法構造を内包している
- 「コミュニケーションメディア」のようなあやふやなものは、「何ができるのか」よりもむしろ、 「何ができないのか」に焦点を当てると理解しやすい
- たとえば金槌みたいな道具を、「釘を打つための道具」と認識してしまうと、応用できない
- 「金属塊が一端に固定された丈夫な棒」があって、これで何ができるだろうかと考えると、発想が広がる
- 「相手の意図はこうだろう」と推測してみせることは、観客を驚かせる効果はあるけれど、例外が多すぎて役に立たない
- 「これができる」は、無数の例外がある。「これは不可能」には、「絶対」がある。自らの状況を 本当に理解できている人は、この制約を指摘できる
- 東京大学の國吉康夫研究室が作ったスクワット起き上りロボットは、 人間みたいな動きをするけれど、身体を完全に制御しているわけではないのだという。
- このロボットはほとんど身体だけの存在であって、神経系に相当するものがないのだと。 身体という制約構造の存在は大きくて、かたちが人間に相似になってくると、脳や知能の問題以前に、 「人間らしさ」というものは、自然に獲得されてしまうのだという