HT-03A にCyanogenMod を導入する

常用している携帯電話にHyper-JというカスタムROMを導入 してから、今までにやったことのメモ。

公開されているROM をいくつか試してみて、現在はCyanogenMod というカスタムROM になっている。

ROMの増量

「Radio とhboot を書き換えることで、メモリを増やすことができる」という話題に乗っかって、試してみた。

Android Custom Cookbook の記載を読むと、hboot 、またはSPLというのはPCで言うところのBIOS に相当して、radio は無線担当のアプリケーションで、起動後最初に読み込まれる。 互換性のない hboot とradio とを組み合わせると、最悪の場合起動しなくなる。

手元の携帯電話は、すでにSPLの変更 を 行っていたから、この時点でのSPL はEngineering SPL 1.33.2005 、radio は純正の radio 2.22.19.26l だった。これをSPL 1.33.0013d、radio 2.22.27.08 に、それぞれ書き換えることになる。

手順はNext K : メモリー増量の記録 で公開されているとおりで上手くいった。

はまる可能性がある場所として、あらかじめengneeringSPL に書き換えを行っておかないと、fastboot を携帯電話が受け付けないので、そもそも書き換えができないことに注意。SPL 1.33.0013 には、 「d」 がついたものとそうでないものとがあるけれど、リンク先の手順に従う場合、純正品のSPL (d 無しのほう) だとerase 命令を受け付けないので、エラーが出るかもしれない。

自分はSPL 1.33.0013d、radio 2.22.27.08 をそれぞれ焼いたあと、recovery-RA-sapphire-v1.7.0G から FR-Spoof-SPL-1-33-0013_S.zip を焼いて再起動、 再度リカバリーから pubrom 1.0 を焼いて、 さらにezBiffTestKernel20101106-2708_S.zip を重ね焼きして、上手くいった。

全て終了したあと、総メモリーが112.7MB になっていれば、手順は成功しているはず。

pubrom 1.1 RAMHack版

1.0 を改変することで快適に使えていたのだけれど、ROM のバージョンアップに伴い、作者の方がRAM 増量に対応したバージョンを公開してくれた。

リンク先の手順 に従うだけで、 リカバリーからSPL とradio の書き換えが行われて、最初から新しいSPL とradio に対応したROM を上焼きすることができた。

注意点としては「リカバリの再起動」 で、単純に電源を入れ直すのでなく、リカバリ画面から、home+back ボタンを押すことで、リカバリ -> リカバリへの 再起動ができる。知らないとはまるかもしれない。Next K : pubrom1.1 ramhack版を入れてみた で、やりかたが図解されている。

バージョンこそ違えど、同じROM だから、使い勝手はほぼ1.0 と同じ。recovery-RA-sapphire-v1.7.0 は、SDカードのパーティーション分けを行う機能があって、 あらかじめswap 用にパーティーションを切っておくと、起動時に自動的に認識してくれる。アプリケーションが落ちにくくなる。

とりあたまさんのおぼえがき で推奨された値に準じて、swap を256MB 、ext3 を1GB、残りをデータ用途にそれぞれ分割して、実際に256MB のswap が認識されているけれど、 この値については「もっと小さい方がいい」とか諸説あって、何が正しいのかよく分からない。

ここまでずっと、15MB のRAM 増量を前提にしてきたけれど、何かの理由で元に戻したいときにはSPL とradio を書き戻す必要がある。 hpcalcのつぶやきメモ HT-03AのRAM増量に必要なものでリンク先が公開されている。

CyanogenMod

pubrom 1.1 は日本語化も行き届いていて、普段使いする分にはもうなんの不満もなかったのだけれど、せっかくだからいろんな機能を試したくなった。

CyanogenMod はたぶん最も有名なカスタムROMで、ほぼ毎日のように更新されたROM が公開されていて、新しい機能が追加されていて、面白い。 英語圏のROM だけれど、日本語のフォントが同梱されていて、設定画面も翻訳されたものが入っていて、問題なく使用できる。

自分が焼いたのは、CM6.1-nighty-269、gapps-mdpi-tiny-20101020-signed、ez-nightly266-cm-2708port_S で、 radio-2.22.27.08、Official-SPL はそれぞれ、RAMHack版のpubrom 1.1 で焼いたものをそのまま踏襲した。

CyanogenMod の最新版は、こちら で公開されている。これは毎日のように更新される人柱版のほうで、 安定版はCyanogenMod のホームページ で公開されている。

CyanogenMod は、本体とは別にGoogle Addon を焼く必要があって、CyanogenMod のWiki からダウンロードできる。一番下のほうにある「Tiny」をダウンロードすれば大丈夫なはず。

このROM は、RAM の増量を行わない、従来のSPL とradio を対象にしているものなので、このまま焼いてもたぶん起動しない。 ezterry という方が対応したカーネルを公開 していて、 自分はez-nightly266-cm-2708port_S を焼いて上手くいったけれど、今はもうバージョンが上がっている。

リカバリーからwipe を行った後、CM6.1-nighty-269、gapps-mdpi-tiny-20101020-signed、ez-nightly266-cm-2708port_S をそれぞれこの順番で重ね焼きして、再起動を行うと上手くいった。

swap を有効にする

SDカード上に、せっかくswap パーティーションを切っているので、これをそのまま使い回したい。

Android でswap を有効にするやりかたはいくつかあって、Swapper2 というアプリケーションを使うと、SDカード上 のswap パーティーションも 認識させることができるのだけれど、ROM にパッチを当てると、アプリケーションを導入しなくてもいける。

Firerat 'all in one' patch というのが有名みたいで、 2ちゃんねるの過去ログ 179番に 使いかたが紹介されている。

一問一答形式で、やりたいことをコマンドラインで聞かれるから、それに答えていけば終了する。swap 有効化だけでなく、様々な機能を持ったファイルなんだけれど、 他の機能はよく分からないので用いていない。

CyanogenMod の設定

CyanogenMod は、ホーム画面の振るまいかたが非情に細かく設定できる。細かすぎて、正直何から手を付けていいのか分からないので、 ThxBiff というROMを公開している方の推奨設定をそのまま使わせてもらった。

ThxBiff の紹介ページ に設定が記載されている。

この環境でももう古い

CyanogenMod のNightly 版は、次から次へと新しいものが登場していて、今の設定でも、すでにもう古くなっている。Nightly 版のバージョンは272 まで 上がっているし、RAMHack 対応カーネルも、すでにNightly 271 の対応版が公開されている。

HT-03A には、CyanogenMod をはじめとしていくつものカスタムROM が公開されていて、メーカー純正、一番安定しているなんて言われている Official AOSP 2.2 OTA test3 にも、 今日になって日本語言語パックの追加 が行われた。

これからカスタムROMを焼くなら、こちらのほうがいいかもしれない。