情報を壁に貼る

CPRの手順、病棟でよく使う薬の作りかた、病棟で行われる代表的な化学療法のレジメンなどは、それを大きな紙に書いて、ナースステーションやERの壁に貼っておくと便利である。

壁紙に情報を張ることには以下のようなメリットがある。

うろ覚えによるミスをなくし、記憶のエラーを強力に訂正してくれる。 不必要なオリジナル処方を作ってエラーを誘発する、厄介な医者の抑止力になりうる。 CPRなどの緊急事態で、チームの意思統一が非常にやりやすくなる。

忙しい野戦病院的なところでは、どこでもたいてい壁という壁は張り紙だらけだ。注射薬を作るスペースには処方や配合禁忌のポスターが、ERに行けばACLSの手順や見逃されやすい頭痛の鑑別疾患、頸椎損傷時のステロイド大量療法のレジメンなどがべたべたと貼り付けてある。

こうしたものは誰かが指導して貼らせたわけではなく、各科の医師や看護師が、単に便利だからという理由で自然発生的に張り紙が増えていく。

いい習慣だな、と思って以前から便利に使っていた張り紙だが、最近になってすべて撤去された。

医○評価○構の人たちの仕業だ。

何がそんなにえらいのか、やたらと横柄な人たちが病院から300万円近いお金を毟り取っていったあげく、医療過誤の保険になっていた壁紙については「醜いからはがせ」との指導。

病院の問題を「改善」します。というお触れは、単に見た目よく、素人受けしやすい病院環境づくりを指導しますという意味であったか。

同じギャラを出すなら、「あるある大辞典」の製作スタッフにでも指導に来てもらったほうが、よほど的確なアドバイスをもらえるだろう。彼らは病院に関して素人かもしれないが、「一般の人にわかりやすくプレゼンテーションする」技術については間違いなくプロだ。自分も含め、いまだにアミノ酸の効果を信じて毎日服用している医療者は結構いたりする…。